「制度は順調に実施されており、理念が定着しつつある。裁判員を務めた多くの国民が積極的、真摯(しんし)に取り組んだ」
千葉景子法相は会見で、裁判員選任手続きへの候補者の出席率の高さや、経験者の肯定的な声を挙げて制度を評価。課題について、「女性が被害者の性犯罪を対象から除外するべきだという意見や、裁判員の生活に与える負担が解消されていないという指摘がある」と述べた。
また、「裁判員」の“名付け親”で、制度導入にもかかわった東大名誉教授で法務省特別顧問の松尾浩也(こうや)氏が記念講演を行った。
松尾氏は「裁判員法施行までの5年間に600回以上の模擬裁判が行われ、ノウハウが蓄積されたことが順調なスタートの原因」と指摘。「司法への国民参加は日本のひとつの文化になりつつある」と語った。
東京高裁では同日、裁判員裁判を担当する刑事裁判官による意見交換会が開かれた。若手裁判官7人の質問に、裁判長5人が答える形式で行われ、若手裁判官からは「裁判員一人一人が、事件に真剣に向き合った」「公判前は『沈黙が続いたらどうしよう』という不安もあったが、やってみたら議論も活発で、良い経験になった」といった意見が出された。
一方、まだ裁判員裁判を体験していないという裁判官が、「これまで進めてきた証拠整理の結果が、公判でどのように裁判員の方に映るのか…」と不安を打ち明ける場面もあった
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